マンガばっかり

マンガ批評

犬を飼う

犬を飼う
★★★★★
谷口ジローのマンガ。
よく「泣けるマンガを教えてくれ」なんて言われることがあるが、そんな時にこの本を勧めるといいと思う。
「犬を飼う」というと、なんとなくうきうきする、そしてとてもハッピーなファミリーっぽいイメージがある。
しかし、犬は人間よりもずっと早死にだ。
だから「犬を飼う」ということは、「犬の死を看取る」ということと切り離せない。
奇を衒ってペット・ブームに冷や水を浴びせるようなマンガを描くのはたやすいことだけれど、どんなペット好きをもペット嫌いをも「うーーん」と唸らせ、涙を流させてしまうのではないかというのがこのマンガの秀逸なところである。
かく言う私は、小学校3年の時に愛犬チャーリーが死んで以来、犬というものを飼っていない…