マンガばっかり

マンガ批評

七色いんこ

手塚治虫漫画全集(341)
★★★★★
手塚治虫の悲惨なる傑作!
連載当時、チャンピオンの終りの方のページに載っていた気がする。
もちろん一度も読んだことがない。
そもそも80年代に「七色」という言葉、「いんこ」という言葉は、あまりにも古びすぎて(しかしレトロな効果もなく)いたし、カツラもピエロの仮面も、当時の感覚としてもあまりにも古すぎ!
劇団というものも、注目されつつあった時期だが、それは野田秀樹あたりの劇団であって、間違ってもシェークスピアでもイプセンでもなかった。
いんこの設定もブラック・ジャックの二番煎じ(天才的腕前、悲惨な少年時代、犯罪の影、小さな相棒…)。
しかし、演劇ウンチク漫画として、これに類するものを知らないし、どの作品についてもクオリティは極めて高い。
いろいろな意味を含めて「悲惨なる傑作」と呼びたい。