マンガばっかり

マンガ批評

エスケープ

エスケープ
★★★
1988年発売の矢沢あい作品。
どれも長編読み切りっぽい作品だが、わりと辛辣な人間関係なども描かれていて、矢沢あいというのはマジメな人なんだなぁと思う。
カバーにある「作品かいせつ」に「感じやすい年ごろのゆれ動く心を描くことを常にテーマにしてきました」とある矢沢のコメントがよ〜くわかる。
この時期を過ぎるとカッコイイ(カワイイ)主人公なり副主人公なりを追いかけすぎて、人物の性格をきっちり造形するよりも、大衆的に流通している「よさ」ばかりが前面に出てしまって、ちょっと「狙い過ぎ」でウンザリさせられる。
その意味でも「NANA」というのは、やはり矢沢あいの集大成で、それがウケたということは本人にとっても、とてもよかったと思う。