マンガばっかり

マンガ批評

ヤマタイカ

ヤマタイカ 全6巻 星野之宣/作
★★★★★
星野之宣によるあきれたスケールのマンガ。
本書の内容は全くもってまことしやかなウソである!
アマテラス=卑弥呼=久高島の神女、そして琉球アイヌは同一民族で… そんなことはあるはずがない!
しかし、そんなことは重々承知していながら、いったいどこから虚構の世界に入っているのか判別がつかないような、壮大すぎて、むしろ本当じゃないかと思うようなウソに充ち満ちている!
東シナ海に沈んだ大和が浮上するなんていうのも、あまりにもウソくさいのだが、日本民族のよりしろとなるには、たしかにうってつけの素材ではあるし…
最後も縄文系が勝つのか、弥生系が勝つのか… と手に汗を握らされるのだが、結局のところ勝者はいない。
ただ60年度にもう一度祭りはくる… という予言めいた終わり方など妙にリアリティがありすぎるのだ!
マジック・リアリズムといったところだろうか…