マンガばっかり

マンガ批評

溺れるナイフ

溺れるナイフ(1)
★★★★★
ジョージ朝倉の人気マンガ。
モデルを務める小学6年生が、いきなり田舎に転居。
その土地の大実力者のドラ息子とのドキドキする思いが募り、「自分も輝いていたい!」と思って田舎暮らしと東京での芸能人生活の二足のわらじを履く… という物語。
ほんとに光り輝いてる存在なんてそうそういるわけがないし、全国津々浦々にまで名前のとおった小学生モデルなんていうのもいるわけがない!
とは言うものの、そんな人たちがいたらいいなぁと、ぼんやりと自分と重ね合わせながら浸るにはいいストーリー。
たとえ「ありがちな設定」であるにしても、細かく丁寧に描こうとしているところ、また少女マンガなのに、背景もとても細かくリアルに丁寧に描いているところがいいと思う。
「ありがち」なのが罪なのではなくて、「ありがち」な事態を「ありがち」だからと言ってきちんと描こうとしないことが罪なのだ!
そもそも少女マンガというものは、「少年と少女が知り合って、うまくいったりいかなかったりする」という極めてありがちなことを何度も何度も描いているものなのだから…