マンガばっかり

マンガ批評

紊уゥ

大奥(第1巻)
★★★★★
よしながふみの変テコ時代マンガ。
最初に読んだよしなが作品はあまりおもしろいとは思えなかったが、これはスゴイと思う。
男が極端に少なくなった江戸中期、徳川将軍は皆、女で、大奥には美少年ばかりが出仕していた…
と、いかにも腐女子臭い設定だとは思うが、こんなバカバカしい設定でありながらもリアリティがあるのだ。
「江戸時代ってこんなんだったよなぁ」といつしか思わせるようなホンモノの大ウソなのだ。
よしながが他の作家と同じようなジャンルを描いていながら抜きん出ているのは、「ありえねぇ」ということを「いや、あるんだ!」と信じ込ませるような迫力だったりディテールだったり… なのだと思う。
この手のマンガのお約束だからホモが出てくるわけではなくて、こいつは絶対にホモだという人だけがホモになっている… そういうところが描きっぱなしのマンガ家たちとは大きく違うのである。