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マンガ批評

新ゴーマニズム宣言special戦争論

新ゴーマニズム宣言special戦争論

小林よしのりによる有名すぎるマンガ。
論理のあまりの甘さ、お涙頂戴にあきれたが、この本が愛国者を鍛え上げるのに効果があったということは事実だろう。
ちょうど今、mixiで「国旗掲揚時の起立強制は違憲、地裁が都に賠償命じる(読売新聞 - 09月21日 15:32) 」という新聞記事に対する参加者のコメントを読んでいたのだが、9割方が地裁の「おかしな判決」を批判する内容。
愛国心」が若い世代の中で盛り上がっているのは知ってはいたけれど、ここまでだとは思わなかった。
今は右がカッコよくてイケてるらしい。
とは言え小林の主張だけがこうしたムーブメントを作ったわけではあるまい。
北朝鮮の拉致発覚、テポドン、中国の愛国騒ぎ、靖国神社… かならずしも自民党保守派が仕掛けたとも言えないような事態が続き、バブル崩壊後、ニートやフリーター、格差社会が話題になるうちに徐々に形成されていったものだろう。
もうこうなってしまったら行くところまで行かないと流れが変わることはない。
日本国民としてのプライドがあるなら、それはそれでいいけれど、プライドを他に押し付けることがいつもいつも不幸を生んでいるということに気付いて欲しい。
もっとも安倍が総理大臣になることが必至というような状況ではそれもないだろうけれど(もちろんプライドの強制はヤメテクレという思いは韓国や中国、アメリカあたりにも言いたいことではあるけれど)。
この国にいながら戦争を目にすることはないだろうなと、なんとなく思っていたけれど、どうもそういうわけにもいかなくなってきたようだ…