マンガばっかり

マンガ批評

西洋骨董洋菓子店

西洋骨董洋菓子店 全4巻 よしながふみ/作
★★★★★
よしながふみの「いかにも」なマンガ。
洋菓子店にはイケメンばっかり、もちろんホモも居て… という設定。
以前読んだ「cafe 吉祥寺で」を思い出す。
が、まるでクオリティが違うのである。
カフェキチに比べるとこっちにはホモもバンバン出てくるので、その意味ではだいぶお下劣なのだが、問題はそういうことではない。
ストーリーもディテールも細かくてしっかりしているのだ。
最近、キャラかストーリーかという言い方がよくされるが、よしながのマンガでは、キャラ造形ははっきり言って「ありえない!」というくらいに類型化したものになっている。
が、それぞれのキャラがどうやってその人生を引き受けて生きていくのかということをきちんと描こうとしているところがカフェキチ、あるいは凡百の萌えマンガ(男女含めて)とはちがうのである。
そしてカフェキチではカフェである意味、そして吉祥寺である意味もほとんどなかったのに比べ、これはどうしても洋菓子じゃなければダメだったというのがわかる。
よしながの蘊蓄も大放出して、自分の好きなものを全部書いていますという過剰さも、またよかったりする。
まぁ、3巻あたりの回想は「それはないだろ」と突っ込ませるに十分なものであったが、4巻ではうまく取り戻してきれいにエンディング!
おそるべしよしながふみ!!