退屈が大好き

★★
岡崎京子の初期作品集。
書中のコラムで「性にまつわる話ばかりが多いけれど、性というのはそんなに軽軽しいものじゃない」という自作批判（明らかに自己嫌悪に浸りながら書いている）を書いているのが注目される。
たまたまいしかわじゅんのコラムをインターネットで見たが、当時、原律子、内田春菊、岡崎京子はエッチマンガ家として有名だったのだと書かれていた。
出身がなにせエロ漫画誌であるし、ここに収録されているのも成年誌が多いことも関係しているのだろうが、なんとも悲惨な状況である。
新人女優が仕事が欲しい一心でヌードに応じるようなイタさ…
とにかくエロっぽいことだけを書いていた時代を抜け出してからの岡崎こそが岡崎なのだろう。
しかし、考えてみれば、これほど痛々しい努力をしながらマンガ家を志す人がいた時代というのも、今となってみれば、実は結構貴重なことだったのかもしれないな。