マンガばっかり

マンガ批評

めぞん一刻

【古本】めぞん一刻 1〜15巻セット
★★★★★
高橋留美子の最高傑作、と個人的に言いたいマンガ。
個人的な事情というのは、自分の大学時代が五代君の大学時代と重なっているからである。
しかも、五代君はサエナイ大学の日本文学科に在学中のイナカ者で、教育実習に行っては教え子から猛烈にアプローチをかけられたりする。
しかし教員になるつもりなどなかった五代は、就職活動をそれなりに頑張ろうとは試みるのだが、どこもダメ…
って、ほとんど自分と重なっていたものだから、とても五代君の人生は他人事と言って済ませることができなかったのである(もちろん教え子に猛烈なアプローチもかけられてないし、管理人さんと恋に落ちることもなかったけどね)。
しかし、80年代の大学生のビンボウな雰囲気、でも、世の中だとか人の情けとかいうものを素朴に信じていられた時代の雰囲気はとてもよくつかめていると思う。
高橋のSFやギャグが、ちょっとおたく臭くてついていけない自分には、やはり「そういう意味」でも最高傑作と言いたいように思うのである。