★★★★
よしながふみの男性誌初連載作品。
ゲイ・食・法律というよしながの得意ジャンル３つを重ね合わせた作品。
我が道を行っている…
ただ、よしながの食に対する哲学（あるいは描写？）には違和感を覚えた。
安さの追求と美食の追求は、ほとんどの場合一致しない。
ましてスーパーの安売り野菜を買って美味を追求するのは不可能に近い。
どんなダシや調味料、香辛料を使ったところで、特にここに取り上げられる食事に関しては素材のよしあしというのが絶対的だということを、よしながは十分に知っているはずである。
そこを取り上げないままでいるのは男性が料理に疎いという計算の上にあるのだろうか？
そして、安さと美味にこだわる男が菜の花や三ツ葉を買うとは思えないし、栗ご飯（栗多すぎ！）をおいしくいただくとも思えない。
安くても美食にこだわるというのなら、「台所のリストラ術」のうおつか氏がそうであるように、薬味くらいは自宅で作るだろうし、カツオブシやスルメの活用、近所での調達等々の裏技をどんどん開発していくと思う。
そういうところを描かないのもリアルではない。
想像上のゲイカップルを描くことに関しては、今更もう突っ込まないけれど、ここに描かれているのは男の料理ではないと思う。
まして安さにこだわる男の料理とは、尚更思えないのである。
ほとんどマンガに対する批評ではないけれど…
マンガばっかり
マンガ批評
