マンガばっかり

マンガ批評

ゑびす銀座天国


★★★
東村アキコが2004年にヤングユーに連載した作品。
「カッコよくって、スマートで、頼れる男の人もステキですが、こういう『何にも出来ないけど一生懸命な男の人』にも惹かれてしまうのです」と著者が言うとおり、不器用で、無愛想だが、なんだかもてるコオロギ君を中心にした下町コメディ。
読者年齢を高めに設定していることもあってか、キャラ立ちよりは現実描写を重視している感じ。
ただ、登場人物の心理を読み解くキーとなる表情や小道具が、ペンタッチの関係で読み取りにくいように思う。
コメディの秀作で知られる作者だが、タッチにさえ配慮すれば、オトナ向けの恋愛マンガも十分に描ける人だということがわかった。
コミックス1巻分がまとまったところで連載打ち切り… というような結末であった。