マンガばっかり

マンガ批評

パギャル


★★★★
浜田ブリトニーなる永遠の20歳を自称する現役ギャルによるギャル・マンガ。
ペンネームの付け方のいいかげんさからもわかるように、なかなかいいかげんで「いい加減」である。
妙な字体が使われていたり、濫発されるギャル語で読みにくいことこの上ないのだが、慣れてくれば、すらっと読み終えることができる。
各篇(6ページ)は案外しっかりした構成に基づいたギャグマンガになっており、とても片手間に描けるような漫画ではないと思う。
随所に織り込まれている作者へのインタビューは、ちょっとバカっぽさを演出しすぎなんじゃないかと思う。
評価の高さはマンガの質ではなく、渋谷あたりの子が何を考えているかの一つのヒントをもらえたことに対する評価である(これが実態なのかどうかはともかくとして)。
ストリート系マンガといえば岡崎京子であり、彼女の時代に渋谷には援交少女が溢れていた(ということになっている)。
援交少女たちは、岡崎マンガのヒロインと同じように、「なんかいいことないかなぁ。こんなぼやっとした日常じゃなくて、自分をドキドキさせてくれるものと出会えないかなぁ」と思って、未来への漠然とした期待と不安から金を仮想目的として、日々労働に励んでいたように思うのだが(宮台慎司の分析をまとめれば)、このマンガに登場する子たちは、十分に渋谷の今で充足しているんだというように感じられた。
白馬の王子様など現れないし、イケメンにも、金にも、特に執着はなさそうだ。セ○クスに関しても、それはもはや人生を賭した一世一代の勝負でも、金を稼ぐ手段でもなく、ワックでハンバーガーを食べるのと同じように、自らの欲望を満足させる目的物と化しているようだ。
バッグの中に大人のオモチャを用意し、慈善でワンセク(1回だけのセ○クス)することもアリ。とりあえずは生きていられるのだし、それで楽しいのならイイじゃないか、という感じなのである。
ただ、連載後1年ほど経った現在、渋谷のギャルの元にも不況の風は吹きはじめているのではないかと思う。
女子高生ならまだよかったかもしれないが、20歳を過ぎ、PM(セ○クスフレンド)も金がなくなり、ワックでハンバーガーを食べることもできなくなりつつあるのではないだろうか?
そしたら、また援交が流行るのだろうか?
いや、こんな女子を相手にできるほど懐にも精神にも余裕のあるオヤジは、もう渋谷にはいないかもしれない。

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また公序良俗に反する… が出たよ。
で、○にすればOKになるのか?
やめてほしいな、こういう表面的な対応は…