マンガばっかり

マンガ批評

聖☆おにいさん


★★★★★
中村光がモーニングツーに連載中のギャグマンガ
このマンガがすごい! 2009」でも1位となり、また、いろいろな人に勧められた本でもあるが、なんとなく敬遠していた。
それは「シッタカブッダ」のような心温まる系のマンガだったらイヤだなという気持ち、あるいは「デトロイトメタルシティ」のように、宗教家と現実のギャップだけで引き延ばされるマンガもイヤだなという気持ち、また、ブッダやイエスをキャラ化して空疎なギャグを続ける「ヘタリア」的なマンガもイヤだなという気持ちからだ。
しかし、読んでみれば、まさに杞憂。
そして1巻の途中まで読んで必読の名作であることを確信した。
ブッダとキリストがなぜか立川で下宿をシェアする二人だが、彼らはとてもきちんとしている。
金やら性やらというものを前面に出せば、デトロイト的な笑いは簡単に取れるだろうが、そこはストイックなまでにしない。
ふと29歳で出家した時のことを思い出してブルーになるブッダ、ブログのヒット数を上げるのに全身全霊を打ち込むイエス(HN・いえっさ)…
静かなギャグを細かく、しかし豪勢に連発していてとてもよい!