マンガばっかり

マンガ批評

紫電改のタカ


★★★★
ちばてつやが「少年マガジン」に昭和38年から40年まで連載した作品。
戦記ものとして当時人気を集めていたジャンルの作品で、反動的なものと見られることもあるが、この作品に限っては保守反動と一言で言い尽くせるものになっていない。
ことにヒーローをスポ根的なヒーローとしてあがめ奉る終わり方をさせていないという一点だけにおいても優れた「戦記もの作品」であると思う。
それにしても自分が生まれた頃に描かれていたというこの作品が、平成21年の今日読んでみてもさほど色あせていないというのはスゴイことだと思う。
もちろん、ちばの画風が代わり映えのしない昔風のものだからだと言ってしまえばそれまでだが、テーマやコマ割り、絵、ストーリー展開等々が、40年後の今でも通じる普遍性を持っているからではないかとも思う。