マンガばっかり

マンガ批評

おともだち


★★★★
高野文子の戦前の日本やアメリカあたりを舞台にしたマンガ。
特に名作といって世間に触れ回らなければいけないようなものには感じられなかったが、このレトロ調のマンガが日本がジャパンになって世界に雄飛した1980年代に描かれたものだというのは、興味深い。
とても個人的な話で恐縮だけれど、たとえばこのマンガが描かれた頃、私は高校・大学のノートを旧仮名・旧漢字で書き、原律子もレトロな絵柄で旧仮名のエロ漫画を描いていた。
そういう人たちがYMOを聞いて、ニューウェーブなんて言ってもいたわけである。
学生運動のあった1970年前後について書かれた本が反響を呼んでいるが、自分が学生時代を送った1980年代というのが、どういう時代であったのか、そろそろ考えはじめてもよい頃だと思う。