マンガばっかり

マンガ批評

シンプルノットローファー


★★★
衿沢世衣子が、「クイックジャパン」というなかなか変化球の雑誌に連載した作品の単行本。
simple! not loafar → 「のらくらせずシンプルに生きよ!」というタイトルかと思っていたけれど、simple knot loafersなのであった。
ローファーを履くような女子校での物語… ということなのかな?
それはともかく、女子校の日常を舞台にした短編集なのだが、それにしてはちょっとキャラやストーリーを作り込みすぎている気がした。
ここまでの「劇」なんていうのは、案外、起こらないものだと思うからだ。
爬虫類が好きな女先生というのはいるかもしれないが、首に蛇を巻き付けて学校に通うことはありえない。
「茶道って、ちょっと面白いかも」と思う女性徒もいるかもしれないが、中庭で友人たちを招いて野点をすることはありえない。
カエルを手づかみする女子高生もまずいない。
日常で押し切るならば、もっと日常に徹するべきだったと思うし、キャラやストーリーの魅力で迫るなら、もっとそっち系で行く方法もあったように思う。