マンガばっかり

マンガ批評

封神演義


★★★★★
藤崎竜によるジャンプ連載の人気マンガ。
ジャンプ連載の長篇バトル漫画はきらいだったんじゃないか、と言われそうだが、嫌いなのは「くだらない漫画」であって、ジャンプやバトルものが嫌いだというわけじゃぁないんだ!
今更ではあるが、これが中国の古典のマンガ化なのだというから、ほんとにびっくりしてしまう。
原作とどれくらいかけ離れているのかは知らないのだが、「ドラゴンボール」やら「幽遊白書」やらという、いわゆるバトルものの源流はこんなところにあったということなのだろう。
彼らがこういった本を読んだのかどうかはどうでもいいのだが、要するに人間を熱中させるストーリーのパターンというのが、明の時代あたりにしっかり成立していたのだということに驚かされる。
まぁ、これをパクって馬琴が「八犬伝」を書いたのだとすれば(或る意味ドラゴンボールだな?)、八犬伝ももうちょっとアレンジを加えれば、けっこう人気マンガになる要素は秘めているのではないかと思う。
まぁ、八犬伝も、ジャンプではないけれど、人気に押されて、ダラダラと超長篇になっていった小説だということを思えば、ほんとに人間の文化なんていうのは、いかほどにも進化していないのだということになるのかもしれないが…
藤崎の絵自体は、通読し終えた今でもどうにも好きにはなれなかったのだが、とにかくこれは原作と同じように、「奇書」というべき成果ではあろうかと思うわん。

…と、ダッキのマネをしてみたりする。