★★★★★
押見修造による<ホラー>マンガ。
とてもいい。
こんなにイビツで陰惨なイジメはない!
本当に読んでいてイヤになるくらいにイビツで悲惨で、よく描けていると思った。
と言っても、いわゆる金を出せとか、暴力をふるうとか、そういうイジメではない。
そうではなくても、人をぎりぎりまで追及していきたいこと、人っていうのは何なのかを追及するあまりに、「イジメ」というか「犯罪」に接近してしまうということはよくあって、そういうギリギリな感じがよく描けているマンガだと思う。
なぜ、そんなことを書くかというと、とっても思い当るところがあるからだ!
神戸の酒鬼薔薇事件で、14歳の少年が「死」というのはどういうことだろうかと思って幼女を殺害したというようなことを言っていたようだが、その気持ちが、解るとは言わないけれど、そっちの方向にスーッと入って行ってしまっていつしか出られなくなってしまう… というのは、本当によくわかるのだ。
それがこの危険な“厨房”という時期なのだと思う。
スーッとイジメて、スーッと売春して、万引きして、駐車場に止まっている車のガラスを割ったり、タイヤの空気を抜いたり…
登場人物の誰に対しても100%とは言わないけれど、共感できるというか、他人事じゃない気がするのだ。
は、私が危険人物だというだけか??
いや、少なくとも作者の押見なら「あるある!」と言ってくれると思う。
これはほんとに真剣でコワイ、イヤなマンガだと思う。