マンガばっかり

マンガ批評

SWAN 白鳥 モスクワ編


★★★★★
有吉京子による「SWAN」の続編。
「SWAN」の続編というと、真澄とレオンの子が活躍する「まいあ」が発表されているが、こっちの方はちょっと「残念」な感じだった。
しかし、時間的に「SWAN」と「まいあ」の間にあった出来事として描かれた本作はなかなかいい!!
もちろん「SWAN」の本編を読んで感動した人、つまり、あの少女マンガ全盛時代における少女マンガがどういうものであったかをわかっている人にしか、この価値は共有できないのではないかという思いはある。
絵やストーリーの暑苦しさ(あいかわらずレオンの目にはいつも髪の毛かかってるし)は、若い人には驚かれるかもしれないが、すぐ慣れると思う!
1巻めからものすごい緊張感が漂っており、心は一気に「SWAN」を読んでいたあの頃に引き戻された。
もちろん漫画史的に言っても、山岸凉子の「テレプシコーラ」の方が、この時代だからこそのバレエ漫画として評価されるとは思うものの、単純に面白さでいえば、まだ1巻しか読んでいない時点ではあるが、名作の予感はこっちの方にもぷんぷんするのである。