マンガばっかり

マンガ批評

魔法少女まどか☆マギカ


★★★★★
マンガではなくてアニメだけれど…
魔女っ子アニメにおいて「セーラームーン」が果たした意味の大きさは、今更言うまでもないと思うが、「魔法少女まどか☆マギカ」によって、魔女っ子アニメの歴史は、今、書き換えられたと思う。
むしろガンダムに例えた方がわかりやすいかもしれない。
それまでは、ロボットアニメといえば、なんだかわからないうちに世界征服をたくらむマッドサイエンティストを相手に戦っていればそれでよかったのだが、ガンダムからは、なぜ戦わなければいけないのか、相手にも家族があり、自分にも愛する人がいたりするのになぜ戦う必要が、なぜ殺す必要があるのか… ということをクリアせずにロボットアニメが成立しなくなった。
「まどか」は、魔法少女ものでそれをやったのだと思う。
これまでは、小動物の誘いにのって、ひょいっと魔女っ子になって、世界平和だか学園の秩序だかをカワイク守っていればよかったのだが、魔法を使うということはどういうことなのか、人を殺すこと、自分が死ぬこと、仲間を守ること… というのはいったいどういうことなのかを考えないでは魔女っ子になれないということを思い知らしめた。
ネタバレになりそうなので、あまり言わない方がいいと思うけど、まどかは最終回になってやっと「魔女っ子」になる。
それなのに、決して引き伸ばされた感じがしないのだ。
今しかないと思う、いろいろ考えた結果として、やっぱりそうするしかなかったと思う…
そんなあたりをきちんと納得させてくれるところがサスガだ。
また、このアニメが成し遂げた業績の一つとして、「なぜ何のとりえもない女の子が世界を救うのか」という少女マンガ(あるいはセカイ系コンンテンツ)のお約束を乗り越えたことがあるかと思う。
日本という国がどうなってしまうかわからないという時期に放映されたということもあって、マドカは日本という国がある限り、これからも語り続けられるアニメになると思う。