マンガばっかり

マンガ批評

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。


★★★★
好きですよ、オープニング&エンディングの曲もいいし、最近、日本に対して幻滅することばかりだけれど、「アニメがあるからいいや」、などとも言いたくなります…
ただ、登場人物のキャラ分けがちょっと現実的には不自然だということ、これはいつもしつこく書いていることだけれど、やはりここでも重ねて言いたい。
鶴子とか、絶対にいませんから…
そして、脚本家の岡田麿里という人の個性かと思うけれど、演劇っぽいと思った。
ラストであぁやって絶叫するところとか、あれは現代演劇でよくあるやつですね。
で、マンガではまず登場しない。
感動の場面なのだけれど(って、書いてる本人は見ながら泣いてたけど)、「こんなこと現実では絶対にないな」と思ってました。
それから小学生時代の事件やら恋心というのを、ずっと持ち続けているというのも、きわめて演劇っぽいというか、リアリズムではないなと思った。
ドラマはドラマチックだからドラマなのかもしれないけれど、やはりリアルの地盤はしっかり固めておかないといけないと思う。
もちろん、そんなことを感じさせないように秩父の町が丁寧に、また西武線がキッチリ描かれていたこともプラスに作用して、総合的にはやっぱりいいアニメだなとは思うのだけれど。

ところで、自分が電車好きだからというのではないが、この手の「地方アニメ」において電車というのはきわめて重要だと思う!
なぜなら電車(気動車も含む)というのは高校生(と老人)だけが乗るものだからだ。
田舎であっても、小中学生は基本的に歩いて学校に行く(「天然コケッコー」参照)。
大学生は都市に下宿する。
そして、高校生だけが、近くの街まで電車で通うのである!
学校を卒業した大人たちは自動車を使うので、電車にはまず乗らない。
あとは電車に乗るのはおじいさんとおばあさんだけ。
というわけで、高校生と老人だけしか電車に乗らないのである。