マンガばっかり

マンガ批評

神のみぞ知るセカイ


★★★★
若木民樹によるメタ・ギャルゲマンガ。
ギャルゲにはまった少年がリアル世界での恋愛をしなくてはならないハメに陥って展開されるラブコメ&格闘が見どころ。
ギャルゲがメインに出ていることや、それこそギャルゲを思わせるようなたくさんの美少女たちが登場することから、なんだかなぁと思いながら読みはじめたのだが、案外、いいです!
これまでのラブコメ・マンガだと、結局のところはリアル・ラブが目的であり、最高の美少女なりと合体したり結婚したりというあたりが夢見られていたのだが、ここでは心の隙間ができた少女たちから駆け魂を引き出すために疑似恋愛が繰り返されるのであって、リアル・ラブがゴールにない。
こんな風にさくさくと攻略できることなど、実際にはあり得ないと思うが、まるきりそのギャルゲ的攻略法が現実世界でもはずれているわけでもなさそうなところがいいと思う。
主人公の心移りなどにチクッとすることもなく、攻略話を読み進められるのもいいかもしれない。
もっとも10巻あたりからは、美少女を増やすことだけでなく、関係性をより深化させる方向で話が展開するようになっているようにも思うけれど…
世のギャルゲ・マニアたちがこのマンガについてどう思っているのかはわからないが、少なくとも、マンガとしての完成度はかなり高いと思う。