マンガばっかり

マンガ批評

GAME OVER


★★★
水谷フーカによる新感覚女性マンガ。
女性マンガ、って、なんか変だけど、少女マンガじゃないし、レディースコミックっていうのは、まぁ、あんな感じだし…
さて、その新感覚女性マンガなのだけれど、設定の突飛さだけで描いている気がしないでもない。
もちろん川内遥ほどに突飛さが下品な感じではないのだが、突飛さが突飛さとしか受け取れないままに作品が終わってしまっている気がする。
中学生と美人OLが結婚するという表題作は、5話にわたって描かれているので、「あぁ、そういうことね」とわかりはするのだが、その他は消化不良。
「よくある恋愛もの」なんて言っても、細かく言えば、いろいろなところに非常識やら偶然やらが関係している。
いくら自分がフツーのツマラナイ人間であったからといって、何の悩みも葛藤もなく、恋愛をうまくやりおおせた人間なんていないはず!
逆に、どんなに突飛に思えるラブストーリーでも、きちんとたどっていけば、それほどに非常識に満ち満ちているわけではないことがわかるものだ(と、いうようなことを漱石先生も言ってましたね)。
もちろん新人漫画家は、衝撃的な作品を発表しない限りデビューもできないわけなのだが、この針の穴を通るような技、つまり「インパクトのある非常識的な物語をきわめて常識的に描くということ」or「きわめて常識的な物語をインパクトのある非常識的な手法で描くこと」を目指してほしいなと思う。