マンガばっかり

マンガ批評

かぶく者



★★★★
原作・デビッド宮原、マンガ・たなか亜希夫による歌舞伎を扱ったマンガ。
歌舞伎のことはなにもわからないのだが、歌舞伎バトル&ヒーローものとして面白く読めた。
ただ、演劇のよさというのは、伝統を打ち破ってマジでやることなのかどうか、というあたりに本質的な疑問も感じた。
よい劇というのは、相手をマジ切れさせて、アドリブでどこまでやれるかを試すことなのだろうか?
そして、観客はそれに成功した者に惹かれるのだろうか?
そうした疑問が作っている側からわいてきたのだろうか、最終巻の第八巻はあれっと思うぐらいにあっけなく終わっている。
もっと歌舞伎界なり演劇界なりにうーんと唸らせるようになって欲しかったのだけれど… それともその筋からのクレームが入ったとか?
自分たちも、読者もうーんとうならせるような次作に期待したい。