マンガばっかり

マンガ批評

森 岡崎京子未刊作品集


★★★★★
岡崎京子の未刊行作品集。
ぶっちゃけ、未刊行の作品というのは、刊行する必要がないくらいのレベルなので未刊なわけであり、あまりいい作品はないということになっている。
有名作家やら有名学者にしても、こうした先入観をひっくり返してくれるようなものはあまりないのだが、この『森』は例外的によかったと思う。
もちろん、そんなことを言うのも岡崎の作品を「マンガブリッコ」に載ったデビュー作(それこそ未刊行なのだが)も含め、ほとんどを読んできたからこそ言えることなのかもしれない。
同時代の他のマンガ文化との関わりがほとんど感じられず、自由に描いている感じがして、80年代の古いマンガであっても、今でも生新な感じのする自由さの中で生きているように感じられた。
同年同月生まれで、同じ空気を吸ってきた人、ずっと読み続けてきた人の作品だからそう思うのか、それとも誰もがそう思うものなのか、もう判断ができないのだけれど…