マンガばっかり

マンガ批評

チョコレート・アンダーグラウンド


★★
山川あいじが、イギリスの児童文学を漫画化したもの。
全くもって予想していた通りの枠からはみ出す部分がなくて残念…
突然にチョコレートを禁止するという法律ができて、そこからチョコ好きたちが地下活動を経て、チョコレートを解禁させるまでを描いたというものなのだが、そもそも禁止しようとする側が、いったいなぜそのようなことを大々的にやったのかということが理解できず、エンディングでの自由の訴えについても、いかにも当たり前のことを当たり前に言っているだけに思えて奥行が感じられなかった。
あらすじとしてはこういうことであってもいいけれど、もっと一人一人を掘り下げ、一つ一つの事件もじっくりと描くべきだったと思う。
もしも最初から1巻で終わらせるつもりがあったのだとすれば、原作者から怒られるくらいにもっと描く内容を絞り込んで、あるいはデフォルメして描くべきだったと思う。
小説に挿絵をたくさんつけたらマンガになる… というわけではないということはわかっておいてほしいですね!(No.682)