マンガばっかり

マンガ批評

妖狐×僕SS


★★★
藤原ここあが『月刊ガンガンJOKER』に連載している人気マンガ。
アニメ化もされて、ますます人気が高まっているようである。
読み方は「いぬぼくシークレットサービス」。
名家のお嬢様・白鬼院凛々蝶(しらきいんりりちよ)が、メゾン・ド・章樫に入居し、専属のボディガード・御狐神双熾(みけつかみそうし)と共に生活をともにすることに始まるラブ・バトル・コメディ。
と、ここまででもうお腹いっぱいな気がする人もいると思うが、今、どんなマンガやアニメが好まれているのかを考えるには必読書なのではないかと思う。
自分の周りにイケメンを並べるタイプの女性向け漫画が出つくした(?)後、女性への絶対的な忠誠を誓いながら、自分もその唯一の存在を愛し、共に遊んだり、闘ったりできる仲間にも恵まれ、少女は自分の手で未来を切り開いていこうとする… という感じだろうか?
イケメンで絶対忠誠を誓うSSなど、いかにも女子の見果てぬ夢のようだが、どうやら自分自身の手で未来を切り開いていくしかないと自覚しているようなところを見れば、ただの夢想マンガとは言えないように思う。
憧れの先輩と両想いになることがゴールであった少女マンガからみれば、格段の進歩、というべきかもしれないな。
(No.692)