マンガばっかり

マンガ批評

シャーマンキング


★★★
武井宏之によるジャンプ連載の王道マンガ。
全32巻で突然に打ち切られたということで有名…
人気低迷のためというのが公式の理由のようだが、まぁ、おそらくそのとおりなのだろうということを、通読してみて実感。
編集部としてはアニメ化もされたマンガだけに、いろいろな案を示したのだろうけれど、作者の方がそれを受け入れて簡単にケリをつけるわけにいかず終わったのだと思う。
が、作者が思うとおりにマンガを描き続けていたら名作になったのかというと、そうも思えない。
お約束のバトルもので話を盛り上げていきながら、途中でその戦い自体を無効化して、作品世界は急に難解に、哲学的(というか衒学的)雰囲気を漂わせてくるのだが、「あ〜あ」と思って、投げ出してしまった読者の感性の方が私には信用できる気がする。
名作としてより迷作として語り継がれていくだろう作品だと思う。
(No.709)