マンガばっかり

マンガ批評

高杉さん家のおべんとう


★★★★★
柳原望による30歳の独身男性のもとにイトコである12歳の中学生が同居することになったというマンガ。
その存在と定評の高いことはかねてから知っていたのだが、今まで読まないできたのは、この類のマンガが『うさぎドロップ』をはじめ、ずいぶん多くなってきた気がすることによるうさんくささ。
それに加えて、「お弁当」といういかにもなアイテムがキーワードになっているという点である。
読んでみれば、なるほど予想通りのハートフル漫画であった。
しかし、高杉温巳はN大学で地理学を専攻しているオーバードクター
大学の人事やら昇格、研究発表等々が、これだけ細かく、リアルに描かれているマンガというのは初めて読んだ気がする。
大学教員というのが、一般的に、そしてあこがれの職業だという風に見られてきていることの反映だろうか…
そうしたリアル世界とギリギリのところに生きているのが美少女・久留里。
彼女の交友関係や出来事は、リアルというよりも、多分にキャラ化、紋切り型に描かれているようには思うが、それにしても十二分に魅力的で楽しいマンガであったように思う。
(No.715)