マンガばっかり

マンガ批評

坂本ですが?


★★★
佐野菜見によるニューヒーロー(?)マンガ。
主人公の坂本は、学文高校1年生で超クール!
それはほとんど人間離れしたカッコよさなのだ。
イジメに対しても暴力に対してもクールさで立ち向かう!
なかなかに隙間を狙ったマンガでおもしろいのだが、このまま突っ走ることが出来るのか、少し不安にも思えた。
1巻を読んだ段階で言うのもなんだけれど、一つ一つストーリーを重ねていくにつれ、坂本のクールが何を目指しているのか、あるいは目指していないのかがわからなくなるからだ。
4コマ漫画であれば、そんなことはどうでもいいのだが、そうではないとどうしても一貫したキャラクター性が問われることとなり、その際にクール像・坂本像がブレてしまうと、一挙に飽きられてしあうのではないかという気がするのだ。
となりの関くん』のようなマンガが好きな人には気に入ってもらえると思うが、あの関君のおどろくべき思想性の無さ(だからこそ逆説的に浮かび上がる思想性!)とは異なっているだけに、ちょっと絶賛するのがためらわれるのである…
(No.756)