マンガばっかり

マンガ批評

すみれファンファーレ


★★★★
松島直子による小学4年生の女の子・菫を中心に、家族や友人たちとの日常を描いたマンガ。
アマゾンの書評をちらっと見ると、5つ星が並んでいた。
素朴な絵柄で、飾らない人柄、常に相手のことを考えながら生きていくけなげな菫の姿は、子どもを主人公にしたいくつかの漫画とは、また違った種類の感動とリアリティを描けていたと思う。
ちょうど小4男子がうちにいるのだけれど、たしかに小学4年生の世界観というのはあんな感じなのかも知れない(菫はできすぎた子のようには思うけれど)。
ただ、殺伐としたマンガ世界に厭きた人間にはさわやかなマンガかも知れないが、昭和のホノボノ漫画というのはこんな感じだったなぁというデジャヴュ感も覚えた。
佃公彦やみつはしちかこのような漫画だ。
だからいけないというわけではないのだが、長い時間をかけてマンガを読んできた人間にとっては、フレッシュなものよりも懐かしさの方を感じてしまった。
(No.784)