マンガばっかり

マンガ批評

ライチ光クラブ


★★★★
古屋兎丸のマンガ。
飴屋法水主催の劇団グランギニョルの演目をマンガ化したものらしい。
何も知らずに読み始めた時には、戦後すぐに起こった闇金融事件の光クラブの話だと思っていたが、直接的なつながりはないようだ。
なんとも80年代あたりのアングラ劇のようだと思ったが、どうもホントウに80年代の劇であってビックリした!
ロボットが感情を持つとか、完璧なプログラムを組むとか、今はなかなかそんな設定でストーリーなど考えられないのだが、そのあたりを越えて、迫ってくるものを感じることができた。
この30年ばかりの間、たしかにロボットの精度やらネットワークやらプログラムやらといったことは大きな変貌を遂げたが、そっちの方に2010年代の私たちはかかり切りになっており、どうも大切なものを忘れてきてしまっていたのではないかという気もした。
(No.820)