マンガばっかり

マンガ批評

月刊少女野崎くん


★★★
椿いづみの連続4コマ漫画(というのか?)。
人気の少女漫画の作者が実は男性(元バスケ部員)だった… という話。
おもしろいという評判で読み始めたが、たしかにおもしろいことは面白いのだが、描かれているのは人間ではなくキャラである。
こういうものが好きだという人に対して、自分の趣味を押し付けようという気はさらさらないのだが、やはり私はリアルにこだわってしまう。
人間を読もうとしてマンガを読んでいるのだ…
要するに自分が古い人間だ、ということなのだろうけれど。
少女漫画を描いているのが、実は無骨で、ちょっと無神経とも思えるような男子高校生だった、というのは十分にインパクトのある設定だと思う。
が、彼・野崎くんが少女漫画を描く必然性は窺えないし、それになぜ没頭しているのかも分からない。
なんとなく書き始めた、ということだってあるだろうが、「いかにもなんとなく少女漫画を書き始めた」というような雰囲気も見られないのである。
設定だけでいうならば、なんでも可能で、「3分前に宇宙からやってきた××星人が突然少女漫画の作者になって大人気になった」ということだって可能なのであり、しかし、それはぶっ飛んだ設定ではあっても、面白い設定なのかというとそうではなく、単なるメチャクチャでしかない(だから「暗殺教室」も好きになれない)。
この野崎くんに恋をした佐倉千代は野崎くんとの急接近を期待しているのだが、アシスタントとして使われるばかりで恋愛は少しも進展しない… そういう設定ももちろんあり得るとは思う。
しかし、人間であれば、野崎くんが少女漫画作家だったことを知ることによって、あるいは自分と一緒に仕事をすることによって、当初とは違った感情を抱き始めるはずなのに、このマンガでは、千代がそういうことに気付くことはない。
やはり白泉社系は受け付けられないのかもしれない…
(No.822)