マンガばっかり

マンガ批評

境界のRINNE


★★★★
高橋留美子が現在「サンデー」に連載しているマンガ。
犬夜叉』の後でどういう作品を描くのだろうかと思っていたら「うる星やつら」と「メゾン一刻」の<あいだ>といった作品であったように思う(あるいはスケット団?)。
美少女・真宮桜は幽霊が見える高校生。
そこに死神と人間のハーフともいうべき六道りんね、お祓い屋の十文字翼、黒猫やら悪魔やらが登場する。
桜とりんねを中心にしたラブコメ、うる星における宇宙が霊界にかわり、りんねの真面目さは諸星あたるよりは五代君に近く… といった感じ。
全くもって能天気にして無思想で、これがどこまで描きつづけられるのだろうかと思いながら読んでいたものの、ついつい16巻まで読んでしまった。
単なるドタバタというには、毎回テーマとなっているのは人情話(幽霊だが)であり、暴力や性はほとんどない。
そのあたりが老若男女を越えて人気を得られる理由ではないかと思う。
進歩がない、というと貶し言葉になってしまうが、「うる星」の頃のテンションで現在の読者をも引き付けているのだとしたら、やはり「ルーミックワールドはすげぇ」と言わないわけにはいかない…
(No.835)