マンガばっかり

マンガ批評

夜とコンクリート


★★★
町田洋による新感覚マンガ。
自分がもしマンガを描くようになったら、こんなタッチになっただろうなぁと思う。
ガロ系にまで行ってしまっていない人、として評価する人も多く、おそらくそんな立ち位置が文化庁メディア芸術祭新人賞を受賞するポピュラリティに繋がっているのだろう。
しかし、かならずしも大絶賛というほどの読後感はなかった。一番よかったのは巻末の描き下ろし。
「音楽を作ることは俺のすべてだ」と語る友人に、数年ぶりに再会すると、もう音楽なんてどこに行ったの、という感じで、ちょっと悲しかったよなぁというもの。
まぁ、こう書いてしまうと、なんとも素っ気ないのだが、町の寂しい感じが、ほろ苦く迫ってきた。
(No.844)