マンガばっかり

マンガ批評

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★★★
中村尚儁によるオムニバス形式のサッカー漫画。
主人公と言えそうな存在は安藤ソラ。
一人で高校のクラブを立ち上げてから、プロに、そして海外のリーグでも活躍する選手となる。
ソラのストーリーを前後させながら、周辺の人物たちの物語も織り込まれるという形式。
基本的に一話完結なので、小学校時代の次にプロ時代の物語が来ても、読みにくいということはなかった。
短篇は、少々作り物くさいものもあったにしても、まとまりは悪くはない。
そして画力も少し乏しい気がする…
巻末に収められたデビュー当時のマンガに比べれば、もちろんプロの名に恥じないマンガを描いているとは思うのだが、申し訳ないけれどもなにかしらスーパーなものを求めるマンガ世界としては、どちらも「そこそこ」であった気がする。
せっかくのアイディアによる作品ではあったが、もっと時間をかけて人間やスポーツを描く、いわゆる長編サッカー・マンガというのを描いた方がいいのではないかという気がした。
(No.860)