マンガばっかり

マンガ批評

あるいとう


★★
ななじ眺の神戸を舞台にした少女マンガ。
「或る伊藤」ではなく「歩いている」の神戸弁である。
地元のマンガ家なので、神戸弁もほぼ確かであるように思うが、そうなのだけれども、どうも聞き苦しい、というか見苦しい。
たしかにこのように喋っているのだが、文字にされると、なんだかとてもわざとらしくて気になってしまう。
例えば「わたしわ神戸えいきたい」と書かれるような感じである。
たしかにそう発音しているかもしれないが、とてもくどく感じられるのだ。
そして、主人公のくこも、なんだかザワザワとする。
笑顔がわざとらしいという設定なのだが、このカラ元気な人物・くこの動きや言動が、なんともわざとらしく騒々しいのだ。
他の人物も同じ…
神戸の風景もわざとらしいく、もちろん神戸の北野に住んでいる人はいるのだし、ここからは海が一望できて綺麗なことも確かなのだが、北野の住人が皆、青空の下でサックスの練習をし、神戸の風景を絵にしているとでもいるような描写は、なんともうるさく感じられる。
まぁ、神戸以外に棲んでいる人が読めば、エキゾチックな魅力に富んだマンガに見えるのかもしれないのだが…
(No.883)