マンガばっかり

マンガ批評

BLUE GIANT


★★★★
石塚真一によるジャズ漫画。
あまりなかったかもしれない…
元バスケット部の青年が、突然ジャズにはまりだし、夜の川べりで練習しながら世界一のサックスプレイヤーを目指すという話。
帯には150万部突破といった文字も踊るが、音符が読めず、耳コピーだけの青年が、本当に「音を聞くだけですごい!」と思われる存在などなれるものなのだろうか?
ピアノとテナーサックスとドラムのトリオというのも、山下洋輔トリオを思い出せば、ないわけではないのだろうけれど、かなり変わっている気がする。
まぁ、そんなことは大きな問題ではないといわれるかもしれないが、妹の存在やら、自分たちを根拠もなく信じてくれる存在が登場したり、せっかく何かが始まりそうだった仙台の三輪舞ちゃんが途中から全く登場しないなど、どうにも乗り切れない。
5巻を過ぎたあたりから、ようやく調子が出てくる気がするが、これが150万部というのは、にわかには信じがたい気がした。
この人の描いた『岳』という山岳マンガにも、なんだか乗り切れなかったのだけれども…
(No.927)