マンガばっかり

マンガ批評

岡崎に捧ぐ


★★★★★
山本さほによる、自伝的(他伝?)マンガ。
がちゃがちゃした女子生徒・山本は、「仲良くなりたくない人ランキング一位」の岡崎をダシにして自堕落な生活をする。
岡崎は、山本に翻弄されながらも、翻弄されること自体を喜んで「私きっと、山本さんの人生の脇役として産まれてきたんだと思う」と語る。
山本は、そんな岡崎を利用し、イケてる女子との友情を先行させたりもするのだが、こういうことを「ヒドイ話だ!」と冷静客観的に言うのは楽だが、案外、そうやって世の中は回っていたりもするのだし、そこを熱くなりすぎず、ドライにもなりすぎないように描いているのはスゴイと思う。
また、こういう話は、岡崎側から再話することは多々あるにしても、山本側から描くことは珍しいのではないかと思う。
いろいろな意味で興味深い作品。
(No.933)