マンガばっかり

マンガ批評

ダンジョン飯


★★★★
九井諒子が「このマンガがすごい2016」のオトコ編で第1位を取った作品。
これは読んでおかないといけないなぁと半ば義務感で読み始める。
自分はゲーム世代ではないし、空想グルメ漫画もあまりおもしろいと思ったことがないからだ。
が、これはおもしろかった!
ゲームの最中に、ふと、こういうやつらって、実際はどんな風に生活してるんだろうな、などと思ったことは誰にでもあるように思うが、そんな思いを肉付けして、彼らがどんなメンタリティで生きているのか、中でもリアルの最たるものでもある食事を中心にして書いたという作品。
どんなファンタジーだってSFだって、大事なものはリアリティだ、と自分はかねがね思っているのだが、これはリアリティーにあふれた傑作!
魔法使いやら魔物やら、死んでもすぐに生き返る人物やら、リアルとはとても言いかねる内容だが、もしも、そんな風な世の中であったら、いったいどのように人々は暮らし、考え、そして飯を食っているのかということをキチンキチンと描こうとしているのが美しく、そして面白い!
(No.934)