マンガばっかり

マンガ批評

不安の種


★★★★
中山昌亮による全3巻のコミックス。
怪奇ものだとは思っていたが、まさかこんな… というもの。
連載1回分の中に、5話ほどのショートショート怪談が詰め込まれている。
こういう経験は自分にもあったな、というものがいくつかある。
別に怪異を信じるわけでもないのだけれど、見えてしまったものはしょうがない!
そこを稲川淳二のように起承転結の整ったうまい話ができる人もいるのかもしれないが、実際は、「あれ」と思っただけで、なかなかお話にはならないことが多い。
そうした「不安の種」を集めた本作は、そんな意味で新しいリアルな怪談集になっていたと思う。
(No.936)