僕と君の大切な話

★★★★★
ろびこ、の新境地。
「となりの怪物くん」で人気だった作家だが、ここでは、女子との関わり、というか、これまで他人との関わりというもの自体がなかった空気を読まない／読むということを考えたことのない東くんと、彼を追いかける相沢さんが、駅のベンチを中心に繰り広げるトーク漫画。
だから何なのか、とも言われそうだが、メタ少女漫画、とでもいうべきだろうか？
少女漫画のお約束を乗り越えるべく到達したのがこの新境地だろう。
「町田くんの世界」もそうだったけれど、とても興味深い。
しかし、このメタ路線を驀進しすぎると、現実社会とは距離がありすぎて、何のことやらわからなくなる。
筒井康隆の『虚構船団』や埴谷雄高の『死霊』みたいなものになってしまうので、そのギリギリを追究してほしいものだと思う。
（No.940）