マンガばっかり

マンガ批評

イエスタデイをうたって


★★★★
冬目景の長期連載恋愛マンガ。
1998年から2015年までの長きに渡って連載された。
東京を舞台にしているのに、高校も大学も2つくらいしかないんじゃないかという感じで、どこもここも同級生や同窓生であふれているというツッコミこそできるものの、これだけ連載をしながらも禁欲的に恋敵キャラを大量投入することもなく、全11巻をきれいに完結させているのは見事。
作中ではたいして時間はたっていないと思われるものの、公衆電話で電話するシーンなどもあって昭和感が漂ったりもするのだが、それでも破綻なく、心理もきちんと描かれており、この人は女性なのだろうなと思って読んでいたら、やはりそうだった!
巻末で青年誌連載だがエロを出さないようにした、と書かれてあったが、そのとおりで、まったくもってプラトニック。
そして「メゾン一刻」のようなギャグをはさむことなく、それでいて辺にシリアスになりすぎることもなく好作品であったと思う。
で、やっぱり「成功する恋愛マンガは10巻で完了する」の法則は当たっていると実感!
(No.955)