マンガばっかり

マンガ批評

響 小説家になる方法


★★★★
柳本光晴のマンガ。
基本的にはひどいマンガじゃないかと思う。
文ストや文アルといった「とんでもない文豪もの」というものが確立してしまっているが、これは、そうじゃなくて「凄い才能の持ち主である女子高生が作家であったという物語」である。
文学少女のマンガだと思って読み始めてしまったのがいけなかったのだ。
実は、文学少女もののようなフリして、これは、ある意味で文ストであり、文アルなのだ。
いや、もうちょっと文学の方に片足を突っ込んでいるから、なおさらタチが悪い。
こんな作家が生きていけるわけがないし、こんな人間がいるわけもないのだが、現実世界と比べてしまっては腹が立つだけである。
そうではなくて、この作品の舞台は、ドラゴンボールのような異世界なのだと思ったらよいのだと思う。
人間が生き返ったり、神様が出てきたりするわけないだろ、などと、もう誰も言えない次元で作品ができているから、だれも腹を立てる人がいない。
これも、「うん、こういう異世界リアルもあるのかもしれない」と思ってみれば、けっこう楽しめるマンガであった!
(No.1015)