マンガばっかり

マンガ批評

阿・吽


★★★★★
おかざき真理による仏教漫画。
おしゃれ漫画家のおかざき真理が、どんなマンガを描いているのかと思ったら、まさかの最澄空海
それも、なかなか本格的で、これまでのおかざき真理っていうのは、いったい誰だったのか、と思う感じ。
スピリッツに連載中だというのだが、なるほどなぁ、と思う。
或る程度、年数を重ねていくと、マンガ家もギャグものや恋愛物、スポ根ものなどという若者を対象にしたマンガを描かなくなり、あるいは描けなくなって、そこで歴史ものに手を染める人は多い。
たしかにおかざき真理も、そのパターンで考えれば、たしか50を越していたと思うので、こうした漫画を描くのもわかる。
が、ガンガンに攻めている。
4巻の帯に、山岸凉子が、かつて自分が『日出処の天子』を描いていた時を思い出すと書いていたのが頷ける熱のこもりようである。
どこまでこれが持続するのかは分からないが、見守っておいて損はないと思う。
(No.1030)