マンガばっかり

マンガ批評

徒然チルドレン

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 ★★★

若林稔弥の4コマ連作漫画。
4コマで、さまざまな学園キャラたちの恋愛模様を描いている。
こういうのは最近多いのだが、結局、全巻を通読してしまった。
みんな恋愛しすぎだし、「お互いのことが好きなのに、なかなか言い出せない」という非常にラッキーな2人のことに目が行き過ぎて、実際はほとんどがコレじゃないかと思う。
すなわち「もしかしたら〇〇さんは私のことを好きなんじゃないか」と思いながらも、全くの思い込みだった、という恥ずかしいパターンがほとんど描かれないでいるあたり、ちょっとフェアじゃないと思う。
とはいえ事実を書けば漫画というわけじゃないし、おもしろくてドキドキしなくちゃ読む気にならない訳なので、まぁ、それはいいでしょう(現に、1巻でやめかけたけれど、慣れてしまえば通読!)。
これが普通のキャラ漫画とどう違うのかと言えば、ここの登場人物たちが成長する所。
物語に「進化」がある所だと思う。
それがどういうエンディングになるかはともかく、そこに新しさと未来を見た気がする。
いわゆる恋愛系漫画だと、どうしてもその2人(+α)にだけ焦点化されてしまって、周りとの関係がなくなりすぎてリアルじゃなくなってしまう。
その意味で、これだと実験的ではあるけれども、2人の関係だけに焦点化された漫画よりもリアリティが出ることになってると思う。
願わくば、もっと恋愛以外の事件なんかもたまに入れたりして、それに反応する各カップル… なんてやっても、もっと連載は長く続き、また、もっと話題になったのではないかという気がする。
(No.1061)