マンガばっかり

マンガ批評

電話・睡眠・音楽

★★★★

川勝徳重による文化庁メディア芸術祭で審査委員会推薦作品にも選ばれた作品。
ガロに深い影響を受けたという人のようで、つげ義春風やら、海外マンガにインスパイアされたものやら、いろいろに入っている。
すごく評価できる、というわけではないのだが、まぁ、いろいろ悩んでるんだなぁ、というのが面白かった。
ことに著者解題を13ページも書いてしまうあたり、なによりも面白い。
本人自身、私マンガの試みをする人なので、そうしたら解題自身も作品の内だろう。
これ以上話題になることもないのかもしれないが、こういう人が実家に戻ったり、あるいは細々とアシスタントをしたり、雑誌のイラストなどを描きながら暮らしているのだと思うと、それはそれで文化的には重厚でいいかな、などとも思う。

(No.1118)