マンガばっかり

マンガ批評

ゆりあ先生の赤い糸

★★★★★

入江喜和のマンガ。
どうも入江亜季と混同してしまうのだが、こちらは『たそがれたかこ』を描いた方。
『たそがれ』でも『ゆりあ先生』でも、浅くて深く、このなんともない、幸せ過ぎるような現代社会のヒダやキズに、静かに入り込んでいくようなマンガだと思う。
女くさい姉は、バレエ教室に通いたいと親にねだって、結局、たいしてやるつもりでもなかった妹のゆりあ(げじげじ眉毛で女子力なし)の方が立派にバレエをやり遂げてしまう… というような、しっかりたくましく、たくましいがゆえにおろかしく、たよりなく生きるゆりあ先生の日々を描こうとしている。
50代の自分だからこそ、50代の女性を描く少女マンガが描きたい、のだそうだが、とても立派だと思う!
もちろん作品もとても立派!

(No.1123)