マンガばっかり

マンガ批評

オオカミ少女と黒王子

★★★

八田鮎子の少女漫画。
見栄を張るためにこれが自分の彼氏だと言って街角で撮ったイケメンの写真を見せたところ、なんとそれが同じ学校の生徒だった…
そこから偽装カップルを演じてもらうのと引き換えにウソつき少女とドSイケメンの関係が始まる。
まぁ、そんな感じの話なのだが、連載1回めで、もう既にこの関係がホンモノのカップルになるのが見え見えで、事実、そうなるのだが、16巻まで、なんとか読み続けることができたのは、ドSなふるまいしかできない佐田くんが、両親の離婚、家に戻ってこない父親との二人暮らし… というあたりから人間関係をうまくすすめることができず、異様なコミュ障になってしまったためのツンデレであったことが判明。
そんなことからオオカミ少女が、人の噂や見栄を気にすることなく、自分の力で生きていくきっかけをつかむマンガであると同時に、イケメンなだけのコミュ障少年のリハビリ物語としても読むことができる。
そこが、いかにもマンガっぽい設定というだけで終わらずに16巻をなんとか完結させられている理由なのだと思う。
はいはい、もちろんライバルが登場し、自分が好きな男子も登場、修学旅行に、家での勉強会、学園祭という高校ラブストーリーの定番をフルコースで演じてますけどね。

(No.1157)